夕日の沈む、松山の田んぼから。青凪スタッフ・俊野が育てる新米
更新日:2026年10月4日
実りの秋。稲刈りを終えたばかりの松山市の田んぼから、瀬戸内リトリート 青凪の夕食へ、新米が届きました。兼業農家でもある当館のスタッフ・俊野が、家族とともに育てたお米です。
夕食では、瀬戸内の鯛の幽庵焼きを添えて、鯛ご飯として提供しています。
松山市の住宅街に残る田園風景
俊野の田んぼが位置するのは、愛媛県松山市。住宅が建ち並ぶなかに、田んぼの広がる一角が残っています。代々ゆかりのある土地で、俊野が米づくりを始めたのは2018年のこと。
高い建物の少ないこの一角では、夕日が沈みきるまでを見渡すことができます。
「季節によって太陽の沈む位置が変わっていく。わーっと声が出るくらい、きれいで」と、俊野は話します。

田んぼには、ホウネンエビやカブトエビが数多く姿を見せます。いずれも、水がきれいでなければすまないといわれる生き物です。
兼業農家として迎える収穫期
米づくりは、田植えや稲刈りの時期だけの仕事ではありません。冬の草のすき込みから、水の管理、畦道の手入れ、稲の生育の確認まで。俊野は一年を通して田んぼに足を運んでいます。
なかでも手をかけているのが、畦道の手入れです。田んぼへの負担が少しでもかからないよう、草を手で刈って管理しています。
夏に向かって濃くなっていく緑は、お盆前に稲穂が出ると、少しずつ黄金色へと変わっていきます。
「毎年見ている景色ですが、色の変化にうっとりする時があります」
9月に刈り取った稲は乾燥と籾摺りを経て玄米に。例年になく涼しい気候で稲刈りを迎えた今年は、1回目の籾摺りを終えたその日に、本城料理長が受け取りに訪れ、翌々日には夕食に並びました。精米は、当館の厨房スタッフが担っています。
つくり手の顔が見える、新米

品種は、あきたこまち。俊野が挙げるその魅力は、新米ならではの香りと、あきたこまち特有の弾力あるもちもちとした食感、そして主張しすぎない甘みと旨み。
愛媛の食材を「地産地消」で仕立てる懐石料理に、同じ松山市で育ったお米が加わります。本城料理長は、このお米についてこう話します。
「お客さまにとって、つくり手の顔が見えること自体にも大きな価値があると思っています。和食をはじめ、青凪の料理に自然に馴染み、『もう一杯食べたい』と思える食べやすさがあります。」
夕食で新米を味わったお客さまが、翌朝、朝食の席で俊野に米づくりのことを尋ねることも少なくありません。お客さまに地域の魅力を届けるホテルの仕事と、田んぼでの米づくり。その両方に携わっているからこそ、少し違った目線で見られるようになったと、俊野は話します。
田んぼから食卓へ、めぐるもの
「地元でとれたものを、地元の企業に届けて、自分もそこで働いている。循環している感じがして、うれしいんです」
俊野が米づくりで大切にしているのは、家族から受け継いできた田んぼで、毎年お米をつくり続けること。
「地域住民とのつながりや田んぼ周辺の風景を自分なりの形で次へつないでいければと思っています」

新米のパッケージには、俊野が田んぼで目にした景色の色を思い出しながら、アクリル絵の具で描いた絵があしらわれています。絵はその年ごとに異なり、今年は田んぼから見る夕日の色を映した、ピンクを基調とした一枚になりました。
当館で俊野のお米を提供するようになったのは2024年、今年で3年目を迎えます。秋のあいだだけ味わえる新米が、本城料理長の料理に寄り添い、この地でしか出会えない滞在のひとときを彩ります。









































