【2025年12月】滞在の余韻を、香りに宿して。10周年に生まれたオリジナルフレグランス「ESSENCE OF AONAGI」
更新日:2025年12月3日
滞在の記憶が感覚として残る香りを
圧倒的な建築に足を踏み入れ、アートと静かに対峙する。その体験の中に香りがあったらどうだろうか。その想いを起点としてプロジェクトが動き出しました。
瀬戸内リトリート 青凪のコンセプト「Minimal Luxury」と深く響き合うものを感じ、2024年12月、愛媛・四国中央市のホームフレグランスブランド「Apt15(アパートメントフィフティーン)」を訪ねました。Apt15のコンセプトは、「日々の暮らしに、心豊かな時間を。感覚が澄む時間を届ける」というもの。その訪問が、「ESSENCE OF AONAGI」誕生のきっかけとなりました。
最初から10周年のために設計されたプロジェクトではなく、一つの訪問から始まった偶発的な出会いが、後に10周年を記念するプロダクトへと育っていきました。
愛媛の素材と、安藤忠雄建築の記憶を香りに宿す

Apt15 眞鍋氏はまず、総支配人 下窪が10周年に込める想いに耳を傾けることから始めました。「感謝」「ローカルのつながり」「調和」「包み込まれる」「アート」——下窪が大切にするキーワードと、安藤忠雄建築の空間、瀬戸内の自然。それらを一つひとつ香りにうつしていきます。
テーマは「直感を研ぎ澄ます香り」。安藤忠雄建築の空間でアートを静かに味わう時間をイメージして調香を重ね、10周年にちなんだ10種類の天然精油からなるプロトタイプが完成しました。
香りからアートが生まれた
プロトタイプが完成した頃、瀬戸内リトリート 青凪では愛媛を拠点に活動する自然画家 絵美氏が滞在制作を行っていました。
そのモノ・コトが持つエネルギーをキャンバスに描く絵美氏に、この香りを絵にしてもらったらどうなるだろうか——プロトタイプのうち2本を手渡し、絵美氏が選んだ1本から生まれたのが作品「RAW」です。2025年4〜5月に瀬戸内リトリート 青凪での制作現場を開くかたちで実施したライブペインティング「LIMITED GALLERY」で誕生しました。

10種類の精油に込めた想い

完成したフレグランスは瀬戸内リトリート 青凪を象徴する青色。
香りは、愛媛を象徴する柑橘の明るさから始まります。愛媛・西予市の柑橘農園で無農薬栽培された柚子・伊予柑・檸檬は、廃棄予定の皮から精油を抽出したもの。農薬を使わないからこそ生まれる、元気な香りがトップノートを彩ります。
ミドルノートには、西日本最高峰の愛媛・石鎚山の黒文字を用いています。山の手入れで伐採された枝から生まれる精油で、四国に自生する「毛黒文字」の品種。日本七霊山の一つとして古くから神の宿る山と知られてきた石鎚山の神聖な空気とともに、瀬戸内の海の香りをイメージして調合しています。さらに、ラベンダーやコリアンダーの穏やかな香りが重なり、落ち着いた奥行きへと移ろいます。
ベースノートのパチュリは、安藤忠雄建築のコンクリートが持つテクスチャーをイメージして調合。余韻に瀬戸内の豊かな自然を連想させる香りがそっと広がります。
できあがったフレグランスに確かな手応えを感じ、10周年を代表するプロダクトとして仕上げることが決定。限定100本をどのように届けるか——パッケージへの試行錯誤が始まります。
細部に息づく愛媛の手仕事

絵美氏の作品「RAW」で使用した絵の具を、そのままボトルへ直接ペイント。100本すべてが異なる表情を持つ、世界に一つだけの一点ものとして仕上げました。
スリーブには、愛媛・四国中央市の特殊和紙を採用。裏表なく印刷できるという独自の技術を活かし、手にしたときのあたたかな質感を大切にしています。

安藤忠雄建築の静謐な空間で、移ろう光の中でアートとともに過ごした時間。窓の外に瀬戸内の多島美が静かに広がる光景。——瀬戸内リトリート 青凪での滞在が、ボトルを開けるたびにそっと蘇える1本となりました。
愛媛の恵みを伝えるショーケース
「ESSENCE OF AONAGI」は、愛媛県に根ざす地域の光が結晶したプロダクトです。Apt15 眞鍋氏、自然画家 絵美氏、西予市の柑橘、石鎚山の黒文字、四国中央市の和紙——愛媛の手仕事と素材が、瀬戸内リトリート 青凪を通じて一つに結ばれました。
瀬戸内リトリート 青凪は開業以来、「地域のショーケース」として、この土地にしかない素材や手仕事を、体験として届けることを大切にしてきました。この香りもまた、そのひとつです。

今回「ESSENCE OF AONAGI」にラベンダー、コリアンダーが使用されたことをきっかけに、瀬戸内リトリート 青凪のハーブ園に絵美氏とラベンダーの苗を植え、コリアンダーの種を蒔きました。ここからの10年に想いを乗せて、地域の作り手とのつながりを軸に、次の物語を紡いでいきます。









































